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執筆者の写真KDK-TRADING

シリコーン型で何回脱型できるの?②(レジンキャスト編)

今日は前回の続きとなります「シリコーン型で何回脱型できるの?」②レジンキャスト編と題してお話させて頂きます。


まず初めに、基本的なことですがレジンキャスト(ウレタンキャスト)には①溶剤型と②無溶剤型があります。


①の溶剤型にはキシレンタイプ、ノンキシレンタイプというものがあります。

名前だけ見るとノンキシレンタイプの方が何となく、人体にもシリコーン型にも優しそうな感じがしませんか⁈

だって有害性の高い「キシレン」が「ノン」となってるし‥


ですがノンキシレンタイプと言っても、

キシレンを抜いて終わり!

という訳ではないんです。


キシレンの代わりに、別の溶剤成分が含まれています。

これはキシレンタイプと同様に、流しやすくするため低粘度にしたり、低価格でご提供できる等、メリットとなる理由があります。

またキシレン特有の「ツン」としたに臭いも軽減されてるので扱い易く、最近ではノンキシレンタイプの商品もたくさん出ております。


が、シリコーン型の耐久性を考えるうえで、上記の(ノンキシレンタイプに入っている)溶剤成分は無視出来ません。

例えば 連続して型へ注型を行った場合です。

この溶剤成分は、シリコーンゴムの中に多少入ってしまいます。時間を置けば揮発するのですが、連続して注型をしてしまうと、どんどんと型が溶剤を溜め込み膨潤してしまいます。(FRP成型用の不飽和ポリエステル樹脂に含まれるスチレンモノマーでも同じ事が起こります。)

そして膨潤することで、型が千切れやすくなってしまうんです。

これは弊社のシリコーンに関わらず起こり得ることです。


次に②の無溶剤タイプについて。

こちらは、ウレタン樹脂自体の成分や発熱が脱型回数に関係します。

特に硬化発熱が高いと、ゴム型の表面が白化(劣化)しやすくなります。

普段皆様がご使用になるウレタン樹脂は、常温(20-25℃)でもしっかりと硬化する様に作られているため、自己発熱も高めになります。


以上の様な事から、実はウレタンキャスト剤の注型と言うのは、シリコーンゴム型にとって良い環境ではありません。様々な要因があってシリコーン型の劣化が進みますので、


『何回脱型できるのか?』というご質問には、

『お客様によって変わります』というのが私からの答えになります。


ただブログ2回分読み進めて頂いて、この答えでは怒られるかもしれません。…(´∀`; )(KDKのお客様は優しい方ばっかりなのですが)

最後に少しでも型を長持ちさせるコツを書いておきますので、お鎮まり下さいませm(._.)m


【シリコーン型を長持ちさせるコツ】


1.連続して注型せず、型を休ませながら成型する(ドライブースがあれば◎)
2.なるべく注型品の厚みを薄くする
3.最初から離型剤を使用する(メタフォームBSが使いやすくオススメ)

これらを組み合わせて頂くことが良いと思われます。

(1.の型を休ませる場合は、暖かい場所で型を放置すれば、自然とシリコーン型に入り込んだ溶剤が揮発されて元へ戻ります)


上手に資材を使いこなすには、製品の特性を知った上での対策が必須です。

プロの方などがシリコーンの良い部分を最大限引き出して使われているのも、しっかりとデメリット部分の対策をされた上で、持ち前の技術を活かされているからだろうと感じています。


また製品の特性を知ってから使うことは、事故防止にもつながりますので、安全に上手に楽しくお使い頂けましたら幸いです!

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